
先日、長野県を旅行した際、特急列車の乗り換えで立ち寄った塩尻駅。太平洋と日本海の分水嶺であり、かつて中央線の難所の一つとして知られていた塩尻駅では、1982年の駅舎移転と2002年のバリアフリー化に伴い同駅にエレベーターが設置され、そのときに駅構内と駅郊外の間に厨房を設けた立食いの信州そばの桔梗がある。

この駅構内の店舗は日本一狭い駅蕎麦屋として有名で、駅郊外の立ちスペースが4名に対し駅構内のスペースは2名。入口がわかりづらく、1・2番線の階段を上がった左前、エレベーターを上った右手にあるが、とにかく目立たないため見落とししやすい。

駅構内に立ち寄ると、本当に狭い。今回幸いこのときのお客は自分ひとりだったが、あと数名いたらギュウギュウ詰めで蕎麦を楽しむ余裕はない。

食券で買うシステムだが、券売機が新札に対応をしていない。店主に言って旧札に交換してもらい、チケットを買った。同店の売りは鳥の天ぷらの山賊蕎麦(900円)だったが、9時半と遅い朝食だったため、かき揚げ蕎麦(550円)にした。

この日は朝から霧雨の天気で気温も寒かったため、普段食べている駅そばより全然美味しく感じられた。特に関東では塩っぱくて啜れないそばつゆも出汁が効いていて飲みやすい。どんぶりから湯気が立ち込めるなか、フーフー吹いて蕎麦を啜る感触が「旅だなあ」と感慨深くさせる。15分も満たない滞在時間だったが、次の目的地への移動に向けた準備運動としてはバッチリだった。


コメント