【知音食堂】これぞホントの四川料理

 最近は、四川料理風と名の付く料理屋店が増えているが、「これ四川料理?」と首を傾げる店舗も多い。四川料理といえば「麻辣」(マーラー、痺れ辛い)だが、ここ最近食べた四川系料理のほとんどは湖南料理風になっている。というのも、四川料理では花椒がたくさん使われているが、湖南料理ではあまり見ない。先日食べた松屋の水煮牛肉も申し訳無さそうに花椒が入っているだけで、それ以外は圧倒的に辛さを強調しすぎるくらい唐辛子を煮込んだスープで、やたらと辛い印象しかなかった。

「違う、俺が求めるのはこんな狂った辛さじゃない!」

ということで、四川料理店を見かけてもすんなり信用できなくなったワイ。そんななか、期待しないで行ったお店の印象がすごく良かった。

池袋西口北にある繁華街は、もはやチャイナタウン化しているほど、中国系の店が多い。

店は吉野家の脇道を入ってすぐに見つかった。地下に降りると、広州市の越秀区や荔湾区にある昔から続いている個人店舗のような雰囲気があり、すごく懐かしい。紅木でできた四角テーブルや丸テーブル。太鼓のような紅木製鼓型丸椅子。なんか、広州の下町に迷い込んだかのようであった。

料理は、四川料理らしいメニューばかり。
今回は、そのうち3品+麺類1品をチョイス。

「歌楽山辣子鶏」(2880円)は、カリカリに炒めた花椒と唐辛子の山盛りに鶏肉をどっさり載せた同店の看板料理。最初は「ちょっとしょっぱいかな?」と思ったが、食べていくにつれて辣より麻が強くなり、汗こそかかなかったものの、ビールが欲しくなる味に仕上がっている。価格も価格だが量もそれなりで、他の料理が食べられなるくらいの満足感だった。

「食いしん坊」という名の付く豚肉のスペアリブの「饞嘴排骨(1980円)」は、ザーサイとひき肉とジャガイモとピーナツを炒めたもののなかに、でっかいスペアリブが埋まっている。肉自体は辛くないが、周りのザーサイの炒め系はやっぱり美味い。肉がなくなったのでスタッフが「お皿を下げましょうか?」という申し出を断って最後までつまんでいた。

サヤインゲンを塩と花椒と唐辛子と挽肉で炒めた「干煸四季豆」(1080円)もお酒のアテになる。

そして締めの開洋葱油拌面(980円)は上海で食べた葱油拌面そのもの。麺の上にかかったタレをかき混ぜて食べた味は上海で食べていた味です。これに、紹興酒が美味しく、普段飲まないのに瓶半分空けてしまった。

久しぶりに食べた本格四川料理店。今度は大勢の友人とリピートしたいというお店だった。

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